10年ほど前に、開業したパソコンT.M.スクールは、ごくごく普通の初心者向けのパソコン教室でした。
手探りで作ったメニューは、初級コース6ヶ月、中級コース6ヶ月、あとはワードやエクセルやホームページ作成などの短期間のコースでした。それでまじめに一生懸命教えていれば、どんどんファンが増え、どんどん売上は上がっていくと単純に思い込んでいたのです。
しかし、現実は違っていました。たしかに受講生からはおおいに喜んでいただき、感謝もされましたが、1年過ぎると卒業してしまうので、新規受講生獲得のための広告費が一向に減りませんでした。
また広告効果で、1ヶ月で10人くらい新規入学すると、初級コースの一括支払いで1人8万円で合計80万円の売上があがりました。一気に単月黒字です。それはもう大喜びでした。しかし、このあと6か月は収入がないのです。そのときに喜んでいるだけではいけなかったのです。
受講生はおおいに喜んでいる、満足している。
しかし、売上はあがらない。
なぜなんだ? 顧客満足は利益にはつながらないのか?
2年間の試行錯誤のうちに、手持ち資金がほとんどなくなってしまい、「パソコンスクール経営には未来がない」という考えが頭の中を駆け巡り始めたのです。
『東京ディズニーランドは80%がリピーターである』
ぼんやり見ていたビジネスニュースで、キャスターがこのように言ってました。
ん!リピーター?
「次に私は何を習えばいいの?」
と、非常に喜んでくださったAさんはおっしゃってました。
「もう卒業です。1年間よくがんばりましたね。家でもパソコンをたくさん使ってくださいね。」
と、インストラクターと私はにこやかに言いました。
半年前のこんな会話がふっと脳裏を横切ったのです。
あ・あ・あ・ なんと、受講希望者を断っていたのは私たちだったのです。